※Mercedes-Benz およびスリーポインテッドスターは Mercedes-Benz Group AG の登録商標です。当サイトはこれらの商標権者および関連企業とは一切関係ありません。

ベンツがいい・オリジナルイメージ
ベンツのエアサスは高い快適性を実現する一方で、寿命や交換費用について不安を感じる方も少なくありません。
このページではエアサスの寿命はどれくらいなのかという基本的な目安から、故障する前兆や走行可能な状態について詳しく解説します。
さらに寿命に影響する走行環境と使い方、エアサスリコールの有無を確認する方法、交換や修理にかかる費用の実態についても取り上げます。
CクラスやW205・W221・W222といった代表的なモデルにおけるエアサス交換費用の例や、費用を安く抑える方法、ディーラーと専門店の費用比較、修理時に注意すべきポイントまでを網羅的に紹介しています。
記事のポイント
①:エアサスの寿命の目安や劣化のサインが分かる
②:故障時の走行可否や注意点を把握できる
③:エアサス交換にかかる費用や相場を知ることができる
④:走行環境や使い方が寿命に与える影響を理解できる
ベンツのエアサスの寿命の目安と影響要因
- エアサスの寿命はどれくらい?
- 故障する前兆は?
- エアサス故障 走行 可能なのか
- エアサスリコールの有無を確認する
- 寿命に影響する走行環境と使い方
エアサスの寿命はどれくらい?
メルセデス・ベンツに搭載されるエアサスペンション(エアサス)の寿命は、一般的に10万キロから15万キロが目安とされています。これはあくまで目安であり、走行環境や運転スタイル、メンテナンスの頻度によって大きく変動します。たとえば、高速道路中心の穏やかな運転をしている車両は長持ちしやすい一方で、荒れた道を日常的に走行する車や急ブレーキ・急加速が多い運転では早期に劣化が進みます。
エアサスはコンプレッサーやエアスプリング、バルブブロックなど複数の部品から構成されており、それぞれに劣化や故障のリスクがあります。そのため「エアサスの寿命」と言っても、一部の部品だけが先に不具合を起こすケースも多く見られます。特にエアスプリングはゴム製のため、経年劣化によってひび割れや空気漏れが生じやすく、劣化が進むと片側の車高が下がるなどの症状が現れます。
また、コンプレッサーの寿命も重要です。エア漏れが進行すると、ポンプが常に作動する状態になり、結果的に過剰な負荷がかかって焼き付きや故障を引き起こすことがあります。こうした連鎖的なトラブルを防ぐには、異音や車高の変化といった小さな兆候を見逃さないことが大切です。
ディーラーなどでの点検を定期的に受けておくことで、部品の状態を把握しやすくなり、突然の故障を防ぐ助けになります。エアサスは快適な走行を実現する反面、消耗品としての側面も持ち合わせているため、一定の走行距離や年数を過ぎた車両では、故障リスクを想定して早めに点検・交換を検討することが重要です。
故障する前兆は?
エアサスの故障には、いくつかの明確な前兆があります。まず最もわかりやすいのが、車高の不均一です。停車中や一晩経過した後に、片側の車高が極端に下がっている場合は、エアスプリングからの空気漏れの可能性が高くなります。特に後輪や片方の前輪だけが沈んでいるような場合は、スプリング自体に穴や亀裂があるかもしれません。
次に注目したいのが、異音の発生です。コンプレッサーが作動する音がいつもより大きくなったり、「プシュッ」や「ポコポコ」といった不自然な音が聞こえる場合は、エア漏れや内部部品の損傷が疑われます。さらに、車高調整の反応が鈍くなったり、操作しても変化が見られない場合も故障の兆候です。
また、メーター内に警告灯が点灯するのも明確なサインです。エアサスシステムに異常が発生すると、車両のコンピューターが異常を検出して警告を表示します。警告灯が点いたまま放置すると、故障の原因が悪化し、より広範囲な修理が必要になるケースもあります。
さらに、エアサス付近に油染みが見られた場合も注意が必要です。これは内部部品の劣化や損傷により、オイルが漏れている可能性があります。エアサスはオイルと空気を使って動作しているため、オイル漏れは性能低下に直結します。
こうした前兆に早く気づくことで、致命的な故障や走行不能といったトラブルを避けることができます。少しでも異常を感じたら、自己判断せず専門工場での診断を受けることが安全です。
エアサス故障 走行 可能なのか
エアサスが故障した場合に、そのまま走行できるかどうかは故障の内容と程度によって異なります。軽度な空気漏れで車高が若干下がっている程度であれば、一時的に走行できるケースもありますが、安全性の観点からは推奨されません。エアサスは車体のバランスと車高を保つための重要な部品であり、その機能が失われると走行安定性や乗り心地が大きく損なわれます。
たとえば、片側だけが大きく沈んでいる場合、車体の傾きによってタイヤやフェンダーへの干渉が起こる恐れがあり、ハンドル操作に支障をきたす可能性があります。また、エア漏れが進行していると、コンプレッサーが頻繁に稼働してしまい、最終的に焼き付きを起こすリスクも高まります。ポンプが故障すれば、他の正常なサスも機能しなくなる恐れがあります。
さらに、車高センサーやバルブブロックなど制御部品が不具合を起こした場合には、車高調整がまったくできなくなることもあります。この状態で走行を続けると、振動吸収が不十分になり、他の足回り部品への負担が増していきます。最悪の場合、サスペンション以外の箇所にも故障が波及することがあるため、注意が必要です。
一見、走行が可能に見える場合でも、内部のコンポーネントがダメージを受け続けていることがあるため、早めの点検が欠かせません。安全なドライブを維持するためには、異常を感じた段階で速やかに専門工場へ連絡し、診断と必要な対応を受けることが賢明です。
エアサスリコールの有無を確認する
ベンツのエアサスにリコールがあるかどうかを確認するには、いくつかの方法があります。まず、正規ディーラーで車体番号(VIN)を伝えると、現在その車に該当するリコール情報があるかどうかを調べてもらうことができます。17桁のVINコードは車検証やフロントガラス下部に記載されています。
また、国土交通省の「リコール情報検索サイト」や、メルセデス・ベンツの公式ウェブサイトでも、自身の車両がリコール対象かどうかを調べることが可能です。エアサスに限らず、安全装置や制御装置に関連するリコールは、対象車両であれば無料で修理や部品交換が受けられるため、見逃さないよう注意が必要です。
エアサスに関するリコールは過去に一部のモデルで発生しています。特定の年式や型番において、エアスプリングやコンプレッサーの部品不良が原因で車高が不安定になる事例が報告されたことがあります。このようなリコールはメーカーから正式に発表されており、対象車には通知が届く仕組みになっていますが、中古で購入した車などは通知が来ない可能性もあるため、自己確認が重要です。
また、リコールとまではいかなくても、メーカー側が無償で点検や部品交換を行う「サービスキャンペーン」なども実施されることがあります。これも公式サイトやディーラーで確認可能です。安心して車に乗るためにも、エアサスの不調が見られる場合は一度リコール情報を確認し、必要に応じて対応を取りましょう。
寿命に影響する走行環境と使い方
エアサスの寿命は、単純な走行距離だけでなく、日々の使い方や環境条件にも大きく左右されます。たとえば、舗装状態の悪い道路や段差の多い場所を頻繁に走る車は、エアスプリングに与える衝撃が大きく、劣化のスピードが早まる傾向にあります。逆に、高速道路中心でのスムーズな走行は、エアサスにかかる負荷が比較的少なく、寿命が延びやすくなります。
また、急ブレーキや急発進といった走行スタイルも影響します。激しい加減速は、エアスプリングやショックアブソーバーに瞬間的な負荷を与え、部品の摩耗を早める原因となります。運転が荒いと、それだけ部品の交換時期も早まる可能性があるということです。
荷物の積載量や車内の人数にも注意が必要です。常に多人数で乗車していたり、重たい荷物を頻繁に積んでいると、車高調整の頻度が増し、エアサスにかかる負担も増加します。とくにリアサスにかかる圧力が高くなりやすいため、後部のスプリングが先に傷むケースも少なくありません。
また、車高調整を頻繁に行うことも一因です。オフロードやカスタムで車高を頻繁に上下させる使い方をしていると、コンプレッサーやバルブブロックへの負荷が蓄積され、トラブルが起こりやすくなります。
エアサスは便利で快適な装備ですが、非常に繊細なシステムです。日頃からの走り方や道路選びを意識することで、長くトラブルなく使用できる可能性が高まります。意図的に負荷を減らす工夫をすることで、交換までのスパンを延ばせるでしょう。
ベンツのエアサスの寿命と修理費用の実態
- エアサス交換費用の相場
- Cクラスのエアサス交換費用の例
- W205・W221・W222のエアサス交換費用
- エアサス修理を安く抑える方法
- ディーラーと専門店の費用比較
- 修理時に注意すべきポイント
エアサス交換費用の相場
ベンツのエアサス交換には高額な費用がかかる傾向があります。一般的な相場としては、1本あたり10万円から30万円程度が目安です。この費用には、部品代と工賃が含まれますが、車種や年式、交換する部位(前後どちらか、もしくは両方)によって価格は大きく異なります。
エアサスは単なるバネの代替ではなく、コンプレッサーやセンサーなどの電子制御装置と連動して動作するため、構造が非常に複雑です。そのため、作業には高度な技術と専用の診断機器が必要になります。こうした要因から、一般的な足回りの修理よりも費用が高くなりがちです。
また、部品の選択肢によっても費用は上下します。純正部品を使用する場合は価格が高めですが、信頼性が高く、トラブルのリスクが抑えられます。一方で、OEM品や社外品を選ぶことで費用を抑えることは可能ですが、初期不良や耐久性の懸念も考慮する必要があります。
修理にかかる日数は、部品が手元にあれば通常は半日から1日程度で完了することが多いです。ただし、特殊な車両や部品の取り寄せが必要な場合は、数日かかるケースもあります。あらかじめ予約し、車体番号を伝えておくことでスムーズな対応が受けられます。
さらに、エアサスは4本すべて同時に劣化するわけではありません。多くの場合は片側だけの交換で済むこともありますが、年数が経過している車両では他の箇所も近いうちに交換が必要になることを見越して、複数箇所の交換を検討するケースもあります。
Cクラスのエアサス交換費用の例
メルセデス・ベンツCクラス(特にW205型)に搭載されているエアサスの交換費用は、前後や片側か両側かによって異なります。一般的な目安として、リアのエアサスを左右同時に交換した場合、11万円から15万円前後の費用がかかります。これはOEM品や社外品を使用した場合の参考価格で、純正部品を使うとさらに高くなる可能性があります。
フロント側は構造がより複雑で、工賃も高くなるため、1本あたり15万円から20万円以上かかるケースもあります。また、Cクラスにはエアサスと一体化されたセンサーや制御ユニットが搭載されており、それらに異常があると部品代以外にも追加費用が発生します。
実際の費用は、ディーラーと認証整備工場で差が出ます。正規ディーラーでは安心感がある反面、1本あたり20万円を超える見積もりが提示されることも珍しくありません。これに対し、専門店では純正OEM品を使いながら価格を抑える工夫がされており、8万円台からの対応が可能なこともあります。
W205型Cクラスではリアのみエアサスを採用しているグレードもあるため、全体の交換費用はSクラスやEクラスよりも抑えられる傾向にあります。ただし、年式やグレードによって構造が異なるため、事前に車体番号をもとに見積もりを取るのが確実です。
Cクラスのエアサスは快適性の面で大きなメリットがありますが、経年劣化により必ず寿命は訪れます。乗り心地が悪化したり、車高が下がるような兆候が出た場合は、早めに診断を受けることで余計な出費を抑えることができます。
W205・W221・W222のエアサス交換費用
ベンツの各モデルごとにエアサスの交換費用は異なります。W205(Cクラス)、W221(旧型Sクラス)、W222(現行型Sクラス)といった代表的なモデルを例に、それぞれの相場を見ていきます。
W205はCクラスの中でも比較的新しいモデルで、リアのみエアサスが装備されている場合があります。リア左右を交換する際の費用は、部品代と工賃を含めておおよそ11万円から15万円程度です。使用する部品が純正かOEMかによっても差があり、純正で揃えると20万円近くになることもあります。
W221はSクラスとしての高級装備が充実しており、エアサスも4輪すべてに搭載されているモデルが主流です。この車種のエアサス交換は高額になりやすく、1本あたり20万円以上、4本交換すると80万円近くになるケースもあります。加えて、コンプレッサーやバルブブロックなど関連部品も同時に交換が必要になることが多いため、総額が膨らみやすいです。
W222はW221の後継モデルで、より高度な電子制御が導入されています。そのため、交換費用も高額になる傾向があり、1本の交換で20万~30万円前後、4本すべて交換するとなると100万円近い見積もりが出る場合もあります。先進的な装備が搭載されている分、診断や調整にも手間と費用がかかります。
このように、同じ「エアサス交換」といってもモデルごとに価格帯は大きく異なります。事前に車体番号を使って正確な見積もりを取得し、費用や修理内容に納得した上で依頼することが重要です。
エアサス修理を安く抑える方法
エアサスの修理費用は高額になりやすいため、なるべく出費を抑えるための工夫が求められます。ひとつの方法は、純正部品ではなくOEM(純正メーカー製)の部品を活用することです。これにより品質を維持しつつ、部品代を大幅に削減できます。純正とほぼ同等の性能を持ちながら、価格は半額以下というケースも珍しくありません。
また、部品交換を行うタイミングも重要です。たとえば、初期のエア漏れや車高の異常が見られた段階で対応すれば、ポンプやセンサーなど他の部品への悪影響を防ぐことができます。放置すると関連部品も壊れ、結果として総額が高くなるため、早めの修理が結果的にコストダウンにつながります。
整備工場の選定も費用に大きく影響します。ディーラーは安心感がある一方で、費用は高くなる傾向があります。一方、ベンツ専門の認証工場では、ベンツ特有の構造や修理事例に精通しているため、必要な作業だけを的確に行ってくれる場合が多く、結果としてコストを抑えることができます。
また、中華製の格安部品は確かに安価ではありますが、初期不良率が高く、再修理になる可能性もあります。短期的には節約できたように見えても、長期的には損をするリスクがあるため避けた方が無難です。
エアサスの修理費用を抑えるには、適切な部品選び、タイミングを逃さない対処、信頼できる整備工場の活用がポイントになります。費用だけにとらわれず、車両の安全性と将来の出費も考慮して判断することが賢明です。
ディーラーと専門店の費用比較
エアサスの交換や修理にかかる費用は、依頼する場所によって大きな差が出ます。正規ディーラーとベンツ専門の認証整備工場とでは、作業内容は似ていても、価格や対応の柔軟性に違いがあります。
まず、ディーラーでは基本的に純正部品を使用し、すべての交換部品に対して保証がつくため、安心感があります。その反面、1本あたりのエアサス交換で20万円以上、4本なら80万円を超えることも珍しくありません。また、初期の異常に対してもユニットごとの交換が基本で、部分的な修理対応は行わない傾向があります。
一方、ベンツ専門の整備工場では、純正OEM部品の使用や部品単位での修理提案を行うことが多く、費用を半額近くまで抑えられることがあります。たとえば、W205のリアエアサスなら、ディーラーで約14万円のところが専門店なら8万円前後で済むケースもあります。
対応スピードにも違いがあります。専門店の中には在庫を持っている店舗もあり、事前に車体番号を伝えておけば、即日交換が可能な場合もあります。ディーラーでは部品取り寄せに数日を要することが多く、修理完了までの期間も長くなりがちです。
価格の安さだけで選ぶのではなく、技術力や部品の品質、アフターサービスまで含めた比較が必要です。どちらにもメリット・デメリットがあるため、予算や車の状態に応じて、適切な選択をすることが求められます。
修理時に注意すべきポイント
エアサスの修理を行う際には、いくつか重要な注意点があります。まず、修理を依頼する整備工場がベンツの構造に精通しているかを確認することが必要です。エアサスは高圧空気と電子制御が組み合わさった複雑なシステムのため、経験の少ない工場では誤った取り扱いをされる恐れがあります。
次に、使用する部品の選定も慎重に行うべきです。安価な部品の中には、品質管理が不十分なコピー品が含まれていることもあり、初期不良の発生率が高くなります。修理後にすぐ再故障してしまうと、結果的に二重のコストがかかってしまう可能性があります。
また、見積もり内容を詳細に確認することも重要です。「エアサス交換」とひとくくりにされていても、どの部品が含まれているのか、工賃や調整作業はどこまで含まれているのかを事前に把握しておかないと、後から追加請求されるケースもあります。
さらに、エアサスの修理後には必ず試運転を行い、異常が再発していないか確認することが推奨されます。異音や車高の不安定さが残っている場合は、再調整が必要なこともあるため、納車前のチェックは手を抜かないようにしましょう。
最後に、今後のトラブルを防ぐためにも、日常的なメンテナンスや早期の異常察知を意識することが、修理費用を抑える近道となります。修理だけでなく、予防的な管理の意識も大切です。
総括:ベンツのエアサスの寿命に関する要点まとめ
- 寿命の目安はおおよそ10万〜15万キロ
- 高速道路中心の走行では長持ちしやすい
- 荒れた路面や急加減速の多い運転で劣化が早まる
- エアスプリングやコンプレッサーなど複数の部品が関与する
- 車高の片下がりは空気漏れの初期サイン
- コンプレッサーの異音は過負荷や故障の兆候
- 警告灯の点灯はシステム異常の可能性を示す
- オイル漏れも劣化のサインで見逃せない
- 故障後の走行は可能な場合もあるが推奨されない
- 傾いた状態での走行は他部品への悪影響を及ぼす
- VINコードでリコール対象か確認ができる
- サービスキャンペーンも活用すべき情報源となる
- 重い荷物の積載はエアサスに負担をかける
- 車高の頻繁な上下操作はコンプレッサーに負荷を与える
- 専門店での修理はディーラーより費用を抑えやすい
本記事を見ている人は次のページも読んでいます